以前、とても口数の少ない中学生を教えていたことがあります

あまりにも喋らない子だったので、ある時、その子のお母さんと電話で話をする機会があった時に、「ご自宅ではどんな様子ですか?」と質問しました

お母さんは、「あの子は、自宅ではうるさくて仕方がない」と話していました

人は、場所や一緒にいる人が違うと、まったく違う性格になったりします

心理学の実験で、人の性格は状況によってどれくらい変わるのかを調べたものがあります

ある建物を監獄に見立てて、数人の被験者を囚人グループと監守グループに分けて、数日間そこで一緒に過ごさせました

監守グループのメンバーはそれぞれ、普段は温厚な性格だったのですが、家族や友達が見たら驚くような汚い言葉を使ったり、酷いことを平気で囚人グループにさせてしまいました

実験後に監守役をやった人にアンケートを取ったら、「なんであんなことをしてしまったのか、自分でもわからない」という答えが多くありました

自分がとった行動の理由がわからないのに、自分でも驚くほど酷いことを状況次第ではできてしまうということです

「Aさんは優しいのか怖いのかよくわからない」と、他人の性格を分析することはよくあることだと思いますが、Aさんは「優しい」と「怖い」のどちらでもあるのだと思います

「日常的に温厚な性格」の人の近くには、温厚な性格の人が沢山いるのかもしれません

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