人間が言語を獲得するとき、単語または短い表現を使えるようになるにはどんな条件が必要なのかを、僕はしばしば考えます

日本人が英語を学ぶ場合、単語一つの意味を調べて意味がわかったとしても、その単語を会話の中ですぐに使えるようになるのかというと、そうではありません

それでも、そもそも単語の意味がわからなければ使えるはずはないと思い込んでいるから、意味を調べるなりして知りたがるわけです

一方で、正しい意味を知らずに使えてしまうケースも多くあります

例えば、「役不足」ですが、サッカーの試合を見ていたとして、ある選手がミスばかりするので、それを見ていた誰かが「あの選手じゃあ役不足だよ」という具合に「役不足」を使う人は少なくないと思います

「力不足」の意味で「役不足」を使っていると推測できます

実際に、僕も少し前までは「役不足」を誤用し、本来の意味を知らずにいました

なぜこのように意味を知らないのに言葉を運用できているのかを考えると、使うには言葉の意味よりもむしろ、その言葉の前後に来る表現や状況の方が重要なのではないかと、僕は考えています

多くの人が「役不足」を使っている状況を見て、僕がそれを無意識に「このようなときに使えるのか」と思い込んできたのでしょう

しかし、同時に、言葉は時代によって進化するもので、「役不足」が「力不足」と同じ意味で使われるようになることを認めなくてはいけないのかもしれません

英語を教えるときに、単語の意味を教えることに意味がないわけではないですが、生徒さんが実践で使えるようにしていくためには、単語をどのような状況で使えるのか知ってもらう工夫が必要だなと思いました

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