レアレアさんの出張レッスンで、レッスンが終わった後、このような会話になりました
参加者のMさんは駄菓子屋さんを営まれていますが、店をオープンしたてのころ、子供たちが次々にMさんのところに来て色々と頼んできたそうです
例えば、「おばちゃん、お菓子の袋が開かないから開けて」や、「おばちゃん、喉がかわいた~」など・・・
子供たちからすると、「できないから」、「困ったから」、大人に頼むのは自然なことでしょう
そこで思ったことが、大人は子供に対して何を助けて何を自分でやらせるのかを考えるのが大事だということです
小学生にもなったら、袋が開かなければどう工夫するのかを考えていかなければいけない年齢でもあるでしょう
重要なのは、大人がやたらと子供に世話をしすぎてしまい、子供から考えるチャンスを奪ってしまってはいないかだと思いました
Mさんは子供の様子を見て、助けるべきか否かをその都度見極めていたそうですが、僕はなるほどな~と思いながら話を聞いていました
ワーキングホリデーで、カナダのバンクーバーで一年間過ごしてきたFくんが、帰国しました
彼が今日、当教室へ遊びに来てくれて、色々と話を聞きました
日本にいた時には気付かなかったことに意識を向ける時間の余裕があったことが、Fくんにとっては一番よかったことなのかもしれません
こちらに帰ってきたら、時間の流れ方が早くて、何だか人がセカセカしているような感覚を覚えたそうですが、僕もアメリカ留学から帰国したときは、同じことを感じたと記憶しています
Fくん自身、カナダで何かを成し遂げたり見つけたりしたわけではなかったそうですが、「間違いなく行ってよかったっす」と言ったときの目には、説得力がありました
今は、自分にとってカナダに住んだことが、どのようにプラスになったのかは具体的にはわからないみたいですが、彼の未来にとって、必ずこの1年の経験は貴重なものになるに違いありません
今朝、娘が、自分の肌着を探していて見つからなかったようで、僕に「父ちゃん、はなのランニングどこにある?」と聞いてきました
僕が普段から袖なしのシャツのことを「ランニング」と呼んでいるので、娘も袖なしのシャツを「ランニング」と認識しています
親が使う言葉を子供がマネするというのは、このようなちょっとしたことからも実感できます
言葉遣いも態度も、親がやるように子供は振る舞うようになっていきます
先日、僕が歩道を歩いていた時、ある親子が自転車で僕とすれ違いました
お父さんは自分の自転車に、小学校低学年くらいの息子さんも自分の自転車に、それぞれ乗っていました
先頭を走っていた息子さんの自転車が、歩いていた僕に少しぶつかりそうになったのを見て、お父さんが後ろから「お前はアホか、前を見ろ・・・ったくよ~」と息子さんに言いました
このような親の発言はよく耳にすることなのですが、残念なことに、あの息子さんもお父さんのような言い方をするようになるのでしょう
子供は大人を見ています
「靴をそろえなさい」、「時間の約束は守りなさい」、「あいさつをしなさい」と言う前に、自分が手本になっているのかを見直すべきだと、しばしば感じます
先日、アメイジング・スパイダーマンを見ていて、このようなシーンを覚えています
主人公のピーターが夜遅くに家に帰ってきたとき、メイおばさんはピーターのことが心配で、寝ないで彼の帰りを待っていました
そのシーンの会話です
メイ:「いったいどこに行ってたの?」
ピーター:「僕のことはいいから、もう寝てくれよ」
メイ:「しっかり話しておくれ」
ピーター:「大丈夫だから、もう寝てくれよ」
メイ:「眠れないの、わからないの?」
このようなやりとりを、ピーターとメイおばさんはしていました
僕が興味深いと思ったのは、メイおばさんの最後のセリフです
「寝なさい」と言われても、眠くならなければ寝ることはできない・・・当たり前のことなんだけど、忘れてしまっていることのような気がします
自分の子供が夜遅くまで布団の中でゴロゴロしているときに、「何時だと思ってるの、早く寝なさい!」と言っても、眠くないのだから寝られるわけがありません
子供が寝ないのは子供のせいではなく、眠くなるためにどうするのかを親が工夫しないといけないのだと思います
「好きになれない」、「美味しくない」、「興味がない」などをひっくり返すには、人を観察する力と、工夫する力が必要なのでしょう
気が利く人というのは、言語だけではなく非言語のメッセージも、敏感に感じ取れる人なのだと思います
夏の暑い日、太郎くんが花子さんの家に遊びに行きました
花子さんは自分の家は風通しがいいので、部屋のまどを開けているだけで、扇風機やエアコンを持っていても、普段は使っていません
太郎君が花子さんの家に入ったら、彼は急に汗をかきだし、手で顔をパタパタ仰いでいます
花子さんは太郎君を見て、「エアコンつけようか?」と言いましたが、太郎君は「大丈夫」と言いました
太郎くんのメッセージを言語だけで解釈したら、花子さんは「太郎くんが『大丈夫』と言うならいいだろう」と思うでしょう
言語と非言語の両方を感じ取ったとしたら、花子さんは「太郎くんは『大丈夫』と言ってるけど、あんなに汗をかいているのだから、きっと我慢をしているにちがいない」と思い、「じゃあ、扇風機を一応つけておくよ」と言うかもしれません
太郎君は、きっと扇風機をつけてもらった方が「ありがたい」と内心は思っているのではないでしょうか
汗だくだくになって、手で顔を仰ぐ非言語のメッセージ、「大丈夫」という言語メッセージ、この両方を見極められる人が、コミュニケーション上手な人だと僕は思います