英語圏の人は日本人と比べて、会話の中に「最上級」の表現をより多く使うような気がしています
日本語と違うのは、英語では特に褒め言葉として最上級をよく使うところではないでしょうか
例えば、”You are the best.”や、”This is the most delicious chicken I’ve ever eaten.”などです
そもそも、言語が違えば考え方も違うので、日本人が、「英語圏の人はなぜ、そんなに軽く最上級で表現するのだろう」とか、「本当に『ベスト』だと思っているの?」と思っても理解することは簡単ではありません
僕はサッカー関連の記事をインターネットでよく見ます
ある外国人監督が「A選手はベストだ」と日本語に訳して載せているものを目にしますが、日本人が考える「最高」という概念と、英語の”best”の概念は違うということを知ったうえで、その監督がどんなニュアンスでその言葉を使ったのかを考えれば、変な誤解は減ると思います
文法を気にすることは悪い事ではないですが、ある状況のときにどのような言葉を選んで表現すれば英語っぽくなるのかを知ることも、コミュニケーションにおいてはとても重要でしょう
Tさんは10月にニューヨークへ一人で旅行されるらしく、今からいくつかの必要なものをインターネットを使って英語で申請しているようです
その中の一つが上手くできなくて、申請書の発行先と英語でメール交換をしていたのですが、相手が送ってきた英文メールを理解できなくて、そのメールに書いてあったことをレッスンに来る前に紙にメモして、昨日のレッスン後にそのメモを僕に見せてくれました
そのメモに書いてあったのが、”…if you are concerned about dicking…”です
Tさんはこの文の意味がわからなかったので、知らない単語を一つずつ丁寧に辞書で調べたそうです
ですが、全然意味が通らなくて行き詰っていました
「・・・しかも、”dicking”という単語を調べたら、『チ●コ』って辞書に載っていて、このメールの送り主は私があまりにも沢山質問のメールをしたから、卑猥な言葉でイライラを強調しているのかもしれないです」とTさんは話してくれました
僕は、Tさんの話の流れとメモの文脈から、”dicking”という単語ではなく、”clicking”とTさんが読み間違えたのだと判断して、そう伝えました
Tさんは60代で、あまりパソコンの画面を見るのが得意ではないと以前話されていたので、”c”と”l”がくっついて、”d”に見えたのでしょう
この件はTさんの中で解決したみたいで、ニューヨーク旅行へ一歩前進できてよかったです
最近、挨拶の練習をするエクササイズを始めました
このエクササイズを初めてやった生徒さんは、スムーズに挨拶をすることは、実は簡単ではなかったことに気が付いたようでした
挨拶は一日の中で人に会うたびにするものなので、会話を学ぶ上での重要度は高い方だと僕は思います
状況は様々で、「初対面のとき」、「友達と道で会ったとき」、「会社に出社したとき」、「明日も会う人と別れるとき」、「しばらく会えなくなる人と別れるとき」などなど、これ以外にもまだ沢山あります
これらの状況の中で、どのような表現を使うのか、もしくは、相手が挨拶をしてきたときにどう返せばいいのかというは、訓練をしないと流れるように口から出すことは難しいのです
会話の出だしが上手くできることは、自信にもつながるのではと、考えています
僕はアメリカ留学中に、授業中によくグループを作って、「ブレインストーミング」というものをやりました
「ブレインストーミング」とは、簡単にいうと、意見をバンバン出し合うことです
意見の正しさだとか合理性だとかは考えず、とにかくテーマについて思いついたことを出しあい、メンバーそれぞれが脳を活発に使います
僕がアメリカから帰ってきて社会人になって、日本には習慣としてブレインストーミングのようなものが無いのかもしれない、と思いました
会社でミーティングをやっても、意見を出す人の方が少なかったり、意見がせっかく出たのに、それを頭から否定する人がいたりで、話がなかなか前に進まないという経験をしました
僕は、「日本にもブレインストーミングの習慣があればいいなぁ」と、感じていました
そして、自分が英会話教室を始めた時に、このブレインストーミングの概念を少し採用しようと思いました
生徒さんに、思ったことをバンバン表現してもらうのがそうです
その時に大事なのは、生徒さんの間違った英語を訂正しない、英語が出なくてジェスチャーだけで表現したときには、むしろ褒める・・・などです
特に超初心者の生徒さんにとっては、「間違ったことを言ってしまったらどうしよう」という恐怖心が常に頭の中にあるものです
そんなときに、「何でもいいから、思ったこと言っちゃいなよ~」という軽いノリがあれば、壁が取れます
アメリカ留学で学んできたのは旅行学ですが、生活や授業を通して学んだことがあったんだなと感じました
最近外国へ行ってきた人から話を聞いたり、自分が英会話のレッスンをやっていて感じることは、やっぱり英語は、コミュニケーションにおいて「道具」として持っておくべきもので、英語そのものについての知識をやたらと頭に詰め込むのはやめた方が良いということです
道具は使うことができればいいわけで、「なぜこの道具が機能するのか」というのは、研究したい人が勉強すればいいと僕は思います
CDプレーヤーは、CDを再生して音楽を聴ければ用は足りるのであって、「なぜ再生ボタンを押すとCDが回り始めて、音がスピーカーからでてくるのか」というカラクリまで知る必要はありません
英語も同じで、多くの人に必要なのは「英語について知っている」ではなくて、「英語を使う」ことです
知識を頭に入れるのは一人で勉強してもある程度はできますが、使えるようになるには、トレーニングが欠かせません
トレーニングは、筋トレのようなものではなく、できれば試合を想定したトレーニングが理想です
英会話で言えば、これはもちろん実践の会話のことです
僕は、この実践を想定したトレーニングに力を入れていきたいと考えています