心地よい状態から出る

 

 

Mさんは先週初めてプライベートレッスンを受けて、「頭がものすごく疲れた」とレッスン後に話してくれました。

僕は、「頭が疲れることはいいこと」だと伝えました。

日本人が日本語で会話をするとき、そんなに考えなくても言葉は次々と口から出てきます

考えなくてもやれるので、体も頭もすごく楽で、心地よい状態です。

新しいことを始めるということは、今まで使っていなかった筋肉を使ったり、沢山考えたりで、疲れるのは当然です。

ですが、最初は疲れていても、やがてそれにも慣れ、意識をしなくてもできるようになっていくので、心地よくなかったものから心地よい状態に変わります。

生徒さんは、できないことにどんどん挑戦することで、知らないうちに無意識状態でもできるようになります。

そうすると、僕は生徒さんが疲労感を感じられるようなエクササイズを更に導入していきます。

自分の実感としては何も得ていないようでも、ちゃんと成長しているんです。

人が成長するには、「心地よいところから出る」ことを繰り返すことがとても重要なことです。

 

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相手の頭の中に絵を描かせる力

 

 

2018年は、新たに抽象的な日本語の単語を英語で説明する訓練を始めました。

例えば、「等身大」、「方針」、「覚悟」などです。

これをやって気付くのは、生徒さんも僕もそうなのですが、言葉の意味は曖昧にしかわかっていなくて、何となくでそれらを使っているということ。

だから、日本語でもこれらの言葉を説明することは簡単ではないということです。

このエクササイズをやるようになってから、「日本語で会話するときの考え方が変わってきた」という生徒さんもいました。

必ずしも、正しい文で伝えることが相手に伝わるとは限らず、片言だとしても、相手の頭の中に「絵」を描かせてあげられる表現力を持った人が、コミュニケーション上手なのかなと、感じています、

2019年は、もっと相手が話していることを理解できるようにしていく訓練を導入できるように、今から準備中です。

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どうすれば伝わるかをよく考える

 

 

 

Yちゃんは小学6年生で、OFFBEATでレッスンを受け始めて半年ちょっと過ぎました。

もともと少しシャイな性格で、話す声もどちらかというと小さめで、自分から何か言うタイプではありません。

そんなYちゃんも、若干ですが、コミュニケーションで伸びた部分が2つあります。


1つが「まず何か言ってみて相手の反応を見る」ということ。

先日、ロールプレイの練習で、洋服屋さんで買い物をしているという状況の中で、店員さん(僕)にYちゃん(客)がどこでお会計をすればいいか聞くというものがありました。

英語の単語1つも頭に出てこなかったみたいで、"Reji dokodesuka?"(レジどこですか?)と店員に聞きました。

もちろん相手は日本語を理解できないことになっているので、言葉だけでは何を伝えようとしているのかの判断は難しいでしょう。

ですが、Yちゃんは商品を手に持っているジェスチャーと、指を色々な方向に向けて何かを探していることを伝えてきたので、僕が"Money?"と聞いてみたら、Yちゃんは"Yes."と答えたので、僕は会計をする場所を"That counter."と教えました。

Yちゃんがアクションを起こしたから、店員が反応できたのです。


2つ目は工夫する力がついてきたこと。

同じく洋服屋さんの設定で、春秋用のジャケットはどこにあるか店員に聞いてもらいました。

Yちゃんはまだ「春」や「秋」の単語を英語で覚えていなかったので、店員に対して、"April October jacket, please."と言ってきました。

4月だから春、10月だから秋という発想は僕にはありませんでした。

実際に外国でこれが通じるかどうかはわかりませんが、言葉を違う表現に置き換える発想は、持てるようになってきました。


OFFBEAT英会話教室コミュニケーションを第一に考えているので、文や表現の正しさよりも、まずは伝える勇気を持つことを優先しています。

そういう意味で、Yちゃんは順調に伸びています

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「お父さんの英語、変だけど。。。」

 

 

Dさんは60歳で、大学生の娘さんがいます。

娘さんは高校生の頃、アメリカのカンザス州に短期留学をした経験があり、その時はホームステイをしていました。

先々週、そのステイ先のホストファミリーが日本に遊びに来て、静岡にも数日滞在したそうです。

Dさんはホストファミリーと少しでも話をできるように、当教室のレッスンで3週間前から何を話すかなどの準備をしていました。


先週のレッスンの時に、Dさんはホストファミリーと食事をしたときの話をしてくれました。

Dさんがつけている腕時計は、Garminというメーカーで、カンザス州にある会社らしく、その時計の話でホストファーザーと盛り上がったそうです。

会話は少し楽しめた」とDさんは僕に話してくれました。


Dさんとホストファーザーとの会話を聞いていた娘さんは、こう言ったそうです、「お父さんの英語、変だけど不思議と通じてるんだよね。なんで?」

お互いに興味のある話をしているときは、言語の壁を超えて歩み寄ろうとする力が働くのだと、僕はよく思っています。

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「馴れ初め」を英語で説明する

 

 

 

 

ここ1年、抽象的な日本語の単語を英語で説明してもらうエクササイズをやっています。

例えば、「馴れ初め」、「恩人」、「納品」などの表現です。

これをやっていてわかるのは、英語力があるから説明が上手いということではないということ。

逆に、英語力はまだまだでも、説明できる人はいるわけです。


そもそも、何故こんな難しいことを英会話上級者でもない生徒さんにやってもらっているかというと、メンタルを鍛えるためです。

実践の会話になったとき、ちょっと込み入った話や深い話になると、「これは難しくて伝えられない」、「説明できないだろう」と最初から決めてしまって、"I don't know.”で話を切ってしまう状況はよくあることでしょう。

こちらから何か発信すれば、数パーセントは通じるものです。

伝えなければ、当然ゼロ。

会話を楽しむというのは、文法的に正しく言えて満足するということではなくて、相手と情報の共有ができたり、伝えたい事を自分の言葉で直接言うことだと僕は思うのです。

生徒さんたちにとっては、確かに疲れるエクササイズの一つですが、これらを乗り越えて、ぜひとも実りのある英会話を沢山してもらいたいです。

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