うちの教室では、使えるものは何でも教材にしてしまいます
その一つが、通販カタログです
このカタログに載っている商品を指して、“What’s this thing?”と僕が日本語を使えないという設定で質問し、生徒さんにその商品は何かを説明してもらいます
商品の中にはアイデアものなどがあって、英語では言えないものも含まれています
こういったものは勿論、それをどう使うのかなどの説明をしなければ相手には理解してもらえません
この説明練習をやっていくと、自分が知っている単語や表現でどう相手に伝えるかを工夫できるようになってきます
生徒さん達はなかなか上手く説明できないので、悔しがります
だけど、「あ~、楽しかった」と言います
語彙力を増やしたい人の中には、単語帳や単語の本を使って勉強している人が多いと思います
僕の経験では、映画を観たり新聞を読んだりしたほうが、単語が頭に残っています
subarachnoid bleeding(くも膜下出血)みたいな難しい単語も、頭の中にスッと入ってきます
それは、映画のシーンや新聞の記事がリアルに状況を伝えているから、そこに出てくる単語も印象に残るのかもしれません
これもまた根拠はありません
最近入った生徒さんは、英語の発音はネイティブに近いほど素晴らしいです
本人曰く、洋楽が好きでずっと歌っているから、発音は身に付いているらしいです
しかし、会話をしてみると、超初級レベルなんです
きっと彼女が歌ってるのを聴いた事がある人は、彼女は英語が話せるのだと思い込んでしまうでしょう
なので、少しでも話せるようになりたいらしいです
僕は彼女に対して、1時間のレッスンの中で、実践会話の練習時間を多めにとることにしました
彼女がキレイな発音を身に付けたのは、何回も歌うという、いわば実践を多く経験したことによる結果だと僕は思っています
これと同じように、会話ができるようになるためには、決まり文句を覚えるだけではなく、人と実際に向き合って、台本無しで会話を沢山経験することが必要だと考えています
昨日は、自分の家族と友達家族の6人で静岡祭りへ行きました
ある屋台をチラッとのぞいたら、手作りの、木でできたパズルが売られていました
そのパズルは、全て小さい三角形と四角形からできていて、組み合わせると大きな四角形になるものでした
その屋台で売っていたおじちゃんが、「この図形は、ピタゴラスの定理を表したものなんだぞ」と説明してくれました
そのおじちゃんは、「数学が苦手な奴は理屈から教わってるから、こんな簡単なものもわからねえんだよ。絵で見たほうがわかりやすいだろ?」と話していました
確かに、英語も理屈ばかり教わっても、使えるようには中々ならないなと思いました
ここにまた、先生として工夫するべきことのヒントがあるような気がします
髪を切りに美容院へ行く人は大勢います
その人達の中で、どれ位の人が自分の新しい髪型に満足し、逆に不満を感じているのでしょうか?
不満を感じている人は、美容師さんの技術に不満なのかもしれません
技術不足の人もいるかもしれないですが、お客さんと美容師さんの意思の疎通が上手くいっていない場合も少なからずあると僕は思っています
お客さんの、「こうしたい」という伝え方に問題がある場合と、美容師さんの理解力が足りない場合の二つが考えられます
こう考えると、自分が伝えたい事を上手く伝えること、相手が言っていることをよく理解する事は、とても重要です
美容師さんのようなサービス業だけでなく、どんな仕事をしている人にもコミュニケーション能力は欠かせないものだなと、ふと感じました