Fさんが、レッスンの後にこのようなことを話してくれました
「自宅でリスニング教材のCDを何度も聴いているのだけど、いつも同じところが聴き取れない・・」
つまり、Fさんは自分の知らない単語を聴き取れていないということなので、「認知できない」という状態にあるということです
認知できないものは頭の中にインプットすることは難しいでしょう
音を聴き取れればいいのかもしれないですが、音すらよくわかっていない状態だそうです
何度聴いてもわからない場合は、教材に本などの文字で書かれているものがあれば、聴き取れていない場所を調べてみるのが一番です
「このような単語がある」という存在があることを知っているだけでも、次にリスニングしたときにその単語を認知しやすくなるのは間違いありません
Fさんは現在レッスンの中で、リスニングした会話の理解度を高める訓練を始めたばかりですが、まずは聞いたことのない単語の存在を「知る」必要があると感じました
先日Tさんが、「映画を観ていて、レッスンに出てきた表現が聞こえてきてビックリした」と話していました
OFFBEATのレッスンでは、大量に同じものを繰り返し練習するのが特徴の一つです
単語の発音も、話しかけられたことに返答する練習も、地図を使って道を教える練習も、一回ではなく何回も練習します
人間は、ものを一回習って覚えてしまうこともある一方、言語のように大量の情報を含んでいるものは、反復練習をして、さらにリアルに使わないと覚えられません
特に、アウトプットを目的として英語を学んでいる人にとっては、アウトプットの反復練習は欠かせません
Tさんが映画を観ていてセリフが聞こえてきたのは、同じ表現を繰り返し耳に入れている効果が出てきた証拠です
「英会話を習い続けているのに、なかなか身に付かない」と思っている方、反復練習が足りていないだけです
日本語を普通に話せている方であれば、英語は誰でも身に付きます
大切なのは、英語に触れる量です
昨日の出張レッスンで、いつもやる状況別のロールプレイのエクササイズを、役割を逆にしてやりました
ホテルの状況では、今までは僕がホテルのフロント係の役で、生徒さんがホテルのお客さんの役をやっていましたが、その役を入れ替えてやってみました
参加者の皆さん、お客さんの役は何となくできるようになってきていますが、ホテルの従業員になってみると実際に経験したことがないので、どのように対応していいのかわからなくてパニックになります
経験したことが無い、もしくは少ないものというのは、やり方などを教えてもらっても、すぐに実践できるものではありません
自動車の免許を取ったばかりの人が、教習所の車では運転に慣れていたけど、いざ自分の家の車を運転してみたら少し怖く感じるのも、経験の少なさからくるものだと思います
英会話のレッスンでは、「このようなときにはこのように言う」というのを知るだけでなく、実践に近い状況に放り込まれてみる経験がとても大事なのだと感じました
「先生がおススメする英会話の教材は何ですか?」という質問をよく受けます
正直に言うと、特定のテキストを指して、「これです」と言えるものは英会話に関しては言うのがとても難しいです
人それぞれ、英会話をやる目的によってやるべきことが全く異なるからです
英会話の基本は語彙力だと僕はよく言いますが、その語彙に関しても、目的によって「基本の中身は変わります」
例えば、とにかく一人で海外旅行を楽しみたい人にとっての基本単語は、「税関」、「免税店」、「観光案内所」、「バス乗り場」などなど・・
外国で音楽を勉強したい人にとっては、「楽譜」、「即興演奏」、「リハーサル」などなど・・
やりたいことによって、知っておくべき単語は異なります
教材の話に戻りますと、正確には教材とは言いませんが、映画やドラマのDVDやYouTubeなどは、おススメできます
自分が興味のあるジャンルのものを見ることによって、必要な単語や言い回しを沢山仕入れることができるからです
英会話をやりたい人にとっては、いきなり市販の文法書や単語集で勉強するよりも、自分にとって実践で必要なものは何かをよく考えて教材を選ぶことが大切だと思います
Fくんが、こんなことを話していました
「日本人って、流暢に早口で英語を話せるのがカッコいいみたいな空気ありますけど、自分としては、流暢じゃなくてもゆっくり堂々と話してる人の方がカッコいいと思うんですけどね~、わかんないっす」
ワーキングホリデーでカナダのバンクーバーへ行って帰ってきたFくんは、色々なことに対して見る目や考え方が変わったのでしょう
外国に行って日本を外から見ることで、今までとは違う感覚や考え方を持つことができるようになるのだと思います
とにかく、より多くの日本人が英語を「知っている」だけではなく、「使える」ようになってなっていけば、人生もより楽しくなるな~と、僕は常に考えています