レッスンの中で、僕はほとんどゼロに近いくらい生徒さんの文法的な誤りを正さないし、解説もしません
まずは、「自分の発した言葉が英語として通じた」という実感を沢山経験してほしいからです
最近気になっていることは、学校で習うような規範文法だけを時間をかけてある程度習得できたとき、ネイティブスピーカーのような「発想」で会話ができるようになるかどうかです
単語と文法だけを教科書で習ったときには、日本人の発想で文を作り、日本語から英語に「翻訳した」だけのような英語が沢山できるような気がします
もう一つ、しっかりと文法を使って会話を習った人が自分の言いたいことを文法を使って言えなかったとき、お手上げ状態にならないかというのはとても気になります
なるべくなら、文で言えなかったとしても、単語を適当に並べて相手に通じればコミュニケーションとしてはOKなので・・
できれば、英会話を教えるのであれば、教材として適しているものはネイティブスピーカーが会話をしている音声と映像だと僕は思います
それが一番英語の世界に入りやすいからです
文法を教えるのは、生徒さんがある程度コミュニケーションを取れるようになってからでも遅くないというのが、僕の考え方です
Iさんは英会話を初めてまだ3~4ヶ月なので、英語に慣れたと実感できるまでにもう少しかかるかもしれません
最近はそのIさんに対して、1分間スピーチの練習を入れたり、物事を説明する練習をやり始めました
もちろんまだ初心者なので、話し方もゆっくりと言葉を探しながらやるので、本人としてはとても難しいと感じているはずです
それでも僕がIさんに話す練習を沢山やってもらっているのは、「やったことがあるという自信」を少しでも早くつけてもらいたいからです
1分間スピーチなどは特に、少し英語をすでに話せる人でも、あまりやりたくないことかもしれません
たとえ英語を話せたとしても、スピーチをやったことがない人にとっては、スピーチをする自信はなかなか持てません
英語が話せる人でも、一人で外国へ旅行をしたことがなければ、一人で行く自信を持てません
英語は話せないけど一人で外国へ行ける人というのは、「一人で外国へ行ったことがある」という経験が自信になっているはずです
僕は生徒さん全員に、英会話を通して沢山の経験をさせてあげられたらと思っています
先週のFさんのレッスンで、Fさんの「耳が聞こえづらくて会話に集中できない」というのを受けて、昨日のレッスンでは工夫を入れてみました
単語の発音やリスニング練習も普段とは違うやり方をしましたが、一番僕が時間をかけて考えたのは、最後の雑談をどう工夫するかでした
考えた結果、昨日はその雑談で僕は一つのトピックについて、Fさんにかなり突っ込んで質問をするように心がけました
「どうやって?」「なぜそう思うのか?」「だいたい年に何回それをするのか?」などです
YesやNoで答えられる質問ばかりだと、会話の内容が頭の中で絵になりづらいのではないかと、僕は思ったからです
会話の中で「なぜ?」などのような、答える人が考えなけえればいけない質問をされると、どうしても頭の中で想像する作業が必要になってきます
頭の中で想像するということは、自分の心は内向きになっているときで、ということは自分の周りの雑音などが気にならなくなるということで、結果的に「集中できている」ということになると思います
レッスンが終わってみると、先週は僕が言ったことを聴き取れずに何回か聞き直すことがあったのですが、昨日のレッスンでは、Fさんは一度も聞き直すことがありませんでした
人を集中させる工夫は、全てのエクササイズにおいて必要だと思ったし、各生徒さんの理解度に合わせて一つのエクササイズのやり方を変えるべきだと感じました
土曜日のSさんのレッスンで、「質問のエクササイズ」をやりました
今回が3回目です
質問をするスピードが上がってきたことと、僕の答え方を見ながら、質問の内容を少しずつ理解出来てきている印象があります
もちろん、最終的には実践の会話の中で自分の質問として文を作れるようにすることがゴールです
それが出来るようになるためには、質問の形がある程度いくつか頭に入っていることと、語彙力が必要です
そして、質問をする練習が大量に必要です
長い道のりに感じますが、自然の流れで言葉が出てくるようになるためには、かなりの時間が必要です
僕はよくこのブログに英会話の習得で一番の敵は「羞恥心」だと書きます
英語学習全体を考えると、「モチベーションを下げないこと」が大切でしょう
最近耳が聞こえづらいというFさんのレッスンが昨日あり、レッスン後にその件についてさらに詳しく話を聞きました
耳鳴りがしていることは確からしいのですが、人の話しが聴き取りづらい理由がそれだけではないのが、昨日わかりました
Fさんが誰かと会話をしているとき、他の人の話し声、子供の騒ぐ声、車が通り過ぎる音など、何かしら雑音は聞こえてくるものです
それらの雑音が気になるために、相手の話を聴き取れなかったらどうしようという不安やストレスが、常にFさんにはかかっているらしいです
会話に対する集中力が度々途切れてしまうことが、「相手の話がよく聞こえない」ことにつながっている気がするとFさんは言っていました
当教室のレッスンでも、同じ不安やストレスのために、集中できないことがよくあるのかもしれません
なので、来週からFさんのリラックス度をさらに高める工夫と、エクササイズや会話に集中できるようにするにはどうするかというのを、僕は考える必要があります
鍵は、イメージトレーニングだと僕は思っています