コミュニケーション能力の話を先週書きましたけど、最近僕が思ったことの中に、「コミュニケーション能力よりも大切なことがある」ということがあります
それは、「コミュニケーションを取ろうとする気持ちです」
どういうことかというと、例えば状況としては、「好きな人に告白したい」、「自分が悪いことをしたとわかっているから相手に謝りたい」、「会社で、上司として部下に注意しなければいけないことがある」、「外国人が道で明らかに困った様子なのを見て、助けたい」、このようなときです
どの状況も、自分が相手に対して何か話しかけてくれるのを待っていたら、そして、その相手も同じことを考えていたとしたら、いつまでもコミュニケーションが始まりすらしません
そんなときに必要なのは「コミュニケーション能力」ではなく、「コミュニケーションを取ろうとする勇気」だと僕は思います
能力だけを磨いても使う機会がなければ、もったいないだけです
正直、僕もコミュニケーションを取ることが面倒だと思うことはよくあります
その「面倒」を沢山乗り越えれば、自分が成長できるような気さえします
ここで書いているだけでは始まらないので、早速動き出そうと思います
さぁ、営業活動だ
これは、僕が聖書のように、たびたび読んでいる「外国語学習の科学」という本に書かれていることです
「外国人の教師は、簡単な言葉で話そうとする傾向がある」
確かに、早口なネイティブの先生はあまり見ないし、難しい表現を使う先生も見ません
生徒さんが理解してくれることを考慮に入れてそうしているはずです
もう一つ、英語の先生でなくても、ネイティブスピーカーというのは、外国人に対しては比較的易しい言い方を使う傾向があるらしいです
確かに、僕にはそれに関する経験があって、あるアメリカ人と普通に会話ができていたのに、そのアメリカ人がもう一人のアメリカ人と話し始めた瞬間から、彼らの話していることが急に理解し辛くなったことがありました
本来ネイティブが使っている英語をインプットしようとするなら、彼らと会話をするよりも会話をずっと聞いているほうがインプットの質としてはいいものが耳から入るということかもしれません
僕は生徒さんに、ハリウッド俳優やミュージシャンなどのインタビューをYouTubeなどで沢山見ることを勧めているのですが、これは更に勧めていきたいと思います
英語の勉強といえば、日本の学校では主に、単語を増やすことや正しい文法を使うことをやっているでしょう
コミュニケーション能力というもう少し高い位置から見ると、文法能力はその一つにしかなりません
むしろ、その他の能力の方が重要だという学者さんは多いです
例えば、社会言語能力や談話能力
社会言語能力は、日本語で考えてみるとわかりやすいですけど、会社で上司に話しかけるとき、「すみません・・」と、丁寧に呼びかけると思います
もし「おい」なんて呼んだら、「なんだ貴様、えらそうに・・」となっても仕方ありません
英語圏には英語圏のマナーがあるということです
談話能力は、簡単に言えば、話がかみ合っているかどうかということです
そもそも、なんのために英語を学ぶのかによって、何を中心に勉強するかは違ってくるとは思いますが、コミュニケーションというもう少し大きなくくりで見たら、社会言語能力や談話能力などもバランスよく身に付けることは必要なことです
体験レッスンをやっても、なぜOFFBEATでは文法を教えないかとか、文で言えるようになることにはこだわらないのかを理解することは難しいです
言葉でどれだけ説明を上手くできたとしても、相手は「なるほど」と言うでしょうが、根っこの部分まで理解することは簡単ではありません
実践を重ねていくうちに、「感じる」ようになるのが、OFFBEATの伝えたいことだと僕は思います
つい先日も、体験レッスンで僕が「文で言おうとしなくていいので、聞かれたことに対して単語一つでいいから答えてください」と言いました
その方は終わってから、「なるほど、最初は単語だけでも、徐々に文で言えるようになっていけばいいんですね」と言われました
実際、僕の考えていることはそうではありません
英語を文で言えるようになることがゴールじゃないんです
だから、会話をしているときに、ちょっと文法を使い間違えたからといって、言い直さなくたっていいんです
言いたいことが伝わっていればいいんだから
もっと大きく考えようぜ
昨日はNさんのレッスンの中で、パーティーに来ていた人についての話、次回のOFFBEAT新年会に何をもってくるか、Nさん主催のワークショップについてなどを話しました
英会話を習うというと、道のたずね方、電話の応対の仕方、レストランでの注文の仕方などを教わることがよくあります
OFFBEATはそのうちのどれも教えません
だから生徒さんは道のたずね方も電話の応対の仕方もレストランでの注文の方法も知らないかもしれません
そりゃ、スムーズに言えればカッコいいし、気持ちがいいでしょう
だけど、それぞれの状況になれば、ほとんどの生徒さんはできると僕は断言します
なぜかと言うと、僕は生徒さんに常に、英語力より会話そのものを楽しむことの大切さを伝えているからです
キレイな英語で言うことが重要なのではなくて、「心と心が通じたか」が大切なのです