英会話を習っている人なら、たまに友達などから「英語で何か言ってみてよ」って言われることもあると思います
僕の生徒さんでも、そういう時に何も言えなくて、「習ってる意味ないじゃん!」って突っ込まれた経験のある人が少なくないです
ハッキリ言って突然、「何か言って」と言われても言うことなんてないです
外国人に「日本語で何か言って」と急に言われて、何を話せばいいのでしょうか?
もし何か言ってほしいとリクエストがあったら、名前と出身くらい言えれば十分ではないでしょうか
それで、「それだけしか言えないの?」と言われたら、その相手に「日本語で何か言ってみて」と逆に反し、反応をみると面白いと思います
レッスンでは、発音練習は文字を見ずにやるようにしています
特に多くの大人の生徒さんは英語を少なくとも中学、高校で勉強した経験があり、文字を読めてしまうので、無意識にローマ字読みになってしまうことが多いのです
文字を見ずにやっても、知っている単語を発音したときには、”everything”を「エブリシング」のように、その単語だけローマ字を読んだ発音になります
僕の考える発音練習のコツは、「自分が何の単語を口から出しているのか」を意識するのではなく、「耳から入った音を同じように口から出せるか」に集中することです
これをやるためには、英語に対する先入観を取り除いて、「英語を知らない人」として取り組むことが必要です
先入観を持たなけば、思いもしなかったことに気づいたり、面白い発想がでてきたりするものです
「これが当たり前」、「これが正しい」、「これが常識」などの考えを取れば、うまくでき始めます
こう考えると、犬が人間の使う文字を読めないと思い込んでいた僕は、そんな先入観を持っていたということです(笑)
そもそも「英語力」ってなんなのかを考えました
発音がよかったり、流暢に話せる人のことなのか
逆に、日本語力がある外国人を頭に思い浮かべてみるとどうか
必ずしも、みんなが完璧な発音をしているわけでもないし、流暢なわけでもない
じゃあ何か?
僕が思い浮かんだ英語力のある人々に共通するのは、物事に幅広く関心を持っていることと、ボキャブラリーがあること
少しくらい片言でも、普段から色々なことに興味を持っていて、自分の言いたいことをある程度伝え、相手が言おうとしていることをくみ取る能力のことを、僕は「英語力」、「日本語力」と呼びたいです
これを深く考えることによって、自分の英会話教室がどうありたいのかを追求するきっかけになりそうです
当教室のコンセプトは、片言でもいいからどんどんコミュニケーションをとること
英語をペラペラに話せるようになることを目的にしていません
生徒さんが、英語がペラペラになったとしたら、それはあくまでも英語を続けた結果です
時々生徒さんにこんなことを言われます
「私、英語が上達していない気がするんです」
僕から見て、その方は英語の伸びはまだまだですが、英語を使ってのコミュニケーションがかなり上手になってきています
なので、そのように伝えると、「でも・・・」と言われることもあります
僕がよく生徒さんに話す、「英語の知識も大切だけど、それ以上に、相手のことを知りたいとか、自分が主張したいという気持ちを相手に示すことが大切なんです・・・」
言葉のうえでは理解されているのだけど、本質的な部分をもっと理解してもらうには、僕の努力がもっと必要です
今年高校3年生になったS君のレッスン中にこんなことがありました
僕がテーブルに置いてある紅茶を少しテーブルにこぼしました
そこで僕は、”Oops.”(おっと)と言いました
それに対してS君が間髪いれずに、”Don’t worry.”と言いました
数か月前までは、僕が何を言っても、”Oh yeah.”としか言わなかった彼が、その状況にピッタリな表現を英語で言いました
“Don’t worry”そのものは、中学1年レベルの表現かもしれません
だけど、実践で使える英語というのは、知っていれば口からすぐに出てくるというような、単純なものではありません
S君は自分の変化にはまったく気が付いていません
僕だけが心の中で感動していました