自分が母国語を話しているときは考えることはないですが、会話中に頭の中で文を作って口から出す作業は、意識的には行われていません
ということは、ある程度無意識に言葉が口から出ているということです
外国語を習っている人が、この「無意識的」に言葉が口から出せるようになるには、どうしたらいいのかというのを、僕は数年考えてきました
スポーツや書道など体を使って行うものは、理想の動きを意識的に反復して練習することによって、無意識化することはできます
これを例えば英語にあてはめて、使える表現などのサンプル文をいくつも反復して練習する方法が良いと信じて僕はやってきましたが、生徒さんと会話をしていて会話全体で見てみると、言えるところはスムーズに口から出て、言えないところはまったく出ない傾向があります
あいさつなど日常的に頻繁に使うものは、反復練習が効くので、これで継続する意味はあると思います
会話全体の流れとしては、時間がかかるかもしれませんが、同じものというよりも、ランダムにインプットをしながら、少しずつアウトプットすることを意識することがいいかなと思っています
よくあることですが、外国語を習い始めのころは単語一つを言うのにも自信を持てず、声が小さくなりがちになってしまう人がいます
そうすると、聞いている相手はよく聞こえなかったから「えっ、なんですか?」と聞き返すことになります
言った方の人は、自分の言い方が間違っていたのかと勘違いし、自分が発した単語に自信を持てず、更に声が小さくなると、これは悪循環です
なので、声の大小は特に外国語を習っている人の会話にとって、重要な要素の一つと考えてもいいと思います
言葉を発する方ではなく、聞く方の人にも声の大小は重要な部分があるそうです
聞き馴染みがある単語(パソコン、ケイタイなど)を聞いたときは、相手の声が多少小さくても聴き取ることができるのですが、「なじみ度」の低い単語(コンプ、ユンボなど)を小さい音で聞いたときは、聴き取り率が激減するらしいです
ただし、一般的になじみ度が低い語でも、同じ専門性を持った人同士の会話であれば、声が小さくても認識される率は高まるということです
話す相手や内容によって声の大きさに意識をしてみることで、コミュニケーションがよりスムーズになるということが言えそうです
レストランでウェイターやウェイトレスを呼ぶときに、「すみません」という表現はよく使われます
道を歩いているときに人にぶつかってしまったときにも、「すみません」は使われます
ハンカチを落としてしまったとき、拾ってくれた人に対しても、「すみません」とお礼といいます
「すみません」は色々な状況で使えることを、僕らはすでに知っています
英語では、excuse meという表現が、「すみません」の訳として当てられることが多いですが、お礼をいうときにexcuse meを使う人がいるのかどうかはわかりません
日本語でも英語でも、ネイティブスピーカーが言葉を覚えるときには、自分の周りの人が言葉をどのように使っているのか、気付かないうちによく観察しているのだと思います
以前、ある生徒さんに、「なんで先生は宿題を出さないんですか?」と質問されたことがあります
実際、僕はレッスンのたびに宿題を出すことは誰に対してもやっていません
生徒さんに、レッスン以外で何をすればいいかというアドバイスを求められたときに、アドバイスをすることはします
なぜ僕が宿題を出さないかというと、宿題は生徒さんにとって「与えられるもの」だからです
自分が何かを身に付けたいとき、何かを学びたいときに重要なことは自発性です
与えられるだけではなく、自分から取りに行く態度がないと、劇的に自分を変えることはできないと僕は思っています
もし生徒さんから「宿題をください」と言われたら、「外国人が頻繁に出入りするパーやカフェを探して、そこで英語のネイティブスピーカー1人と友達になって、電話番号を交換する」、これが宿題です
最近、新しい単語集のために画像を集めていて、感じたことがありました
単語や表現を覚えるときに、英語と日本語をセットで暗記しようとしたときには、沢山の音を頭の中で唱えることになるので、それだけ量を沢山覚えなくてはいけないのではないかということです
例えば、「ceiling=天井」を覚えようとしたとき、音の数は、「スィー・リ・ン・グ=て・ん・じょ・う」で、英語と日本語の音を合計すると8つです
これを、英語と絵のセットで覚えようとしたときは、「スィー・リ・ン・グ(口から出す)=天井の絵(目で見る)」で、音の合計は4つです
覚える音の数は少なくて済みます
しかも、天井の絵を見ながら「ceiling」と声を出すと、「スィー・リ・ン・グ=て・ん・じょ・う」と暗記しようとするよりも、天井に対する臨場感を感じやすいような気がします
英単語プラス絵の単語集はまだ始めたばかりなので、以前の単語集と比べて効果にどのような違いがあるのかを、よく見ていこうと思います