以前、とても口数の少ない中学生を教えていたことがあります
あまりにも喋らない子だったので、ある時、その子のお母さんと電話で話をする機会があった時に、「ご自宅ではどんな様子ですか?」と質問しました
お母さんは、「あの子は、自宅ではうるさくて仕方がない」と話していました
人は、場所や一緒にいる人が違うと、まったく違う性格になったりします
心理学の実験で、人の性格は状況によってどれくらい変わるのかを調べたものがあります
ある建物を監獄に見立てて、数人の被験者を囚人グループと監守グループに分けて、数日間そこで一緒に過ごさせました
監守グループのメンバーはそれぞれ、普段は温厚な性格だったのですが、家族や友達が見たら驚くような汚い言葉を使ったり、酷いことを平気で囚人グループにさせてしまいました
実験後に監守役をやった人にアンケートを取ったら、「なんであんなことをしてしまったのか、自分でもわからない」という答えが多くありました
自分がとった行動の理由がわからないのに、自分でも驚くほど酷いことを状況次第ではできてしまうということです
「Aさんは優しいのか怖いのかよくわからない」と、他人の性格を分析することはよくあることだと思いますが、Aさんは「優しい」と「怖い」のどちらでもあるのだと思います
「日常的に温厚な性格」の人の近くには、温厚な性格の人が沢山いるのかもしれません
家族に、「とーちゃんは誰が一番好き?」と聞かれたら、僕はいつでも迷うことなく「俺」と言います
人間はだいたい、自分が好きだと僕は思っています
例えば、自分が大好きなケーキを妻と半分に切って食べるとき、正確に半分にならなくて、ちょっと大きいのとちょっと小さいのになることは、あり得ます
僕がそれを切ったとして、妻がいないときに僕が先に食べることができるとしたら、僕はちょっと大きい方を取ると思います
逆に、一緒に食べるようなときには、自分が小さい方を取って、妻に大きい方を譲ります
「俺って優しい人間だろ?」というアピールを、言葉を使わずにできるからです
なぜかはわかりませんが、そういう時の計算は、2ケタの足し算をするよりも答えが早く出せるものです
人が見ていないところでズルをしたり、嘘を言ったり、サボったり、自分がちょっと得をするように行動する・・・
だって、自分が一番大切だから
「やせたいな~」と言いながら、いつまでたっても痩せられない人が多くいますが、なぜなんだろうと僕はなんとなく考えました
「思考は現実化する」というナポレオンヒルの本がとても有名です
僕はその本を読んだことがありませんが、「思考は現実化する」という言葉そのものは、なるほど、そうだよなと思います
もし、文字通りに思考が現実化するなら、なぜ「やせたい」と言っている人が痩せないのかを考えました
たぶん、「やせたい」という言葉は、「ただの願望」だけなんです
だから、1年後もやっぱり「やせたい」なんです
自分の願望を口にする分には、痩せると約束をしたわけでもないので、1年後に痩せていなくても、誰からも「やせてないじゃん」と突っ込まれなくてすむと、無意識では思っているのかもしれません
逆に、「私、4月までに2kg減量しちゃってるから、よろしく~」と公言してしまえば、逃げようがないので、痩せる努力を始めるしかありません
これがとても大事な部分です、どうやったら行動に移せるのか
こんなことを考えると、願望を口にするよりも予定を口にする方が、現実化するのではないかと僕は思います
決意をもって何かをやりたいと思っている人に、僕はこれから「いつまでに、こうなっちゃいます」と公言することを提案するようにします
ある経営者の方が、「誰にでも愛されようとする店は、誰からも愛されない」と言っていました
この話は3年か4年前に聞いたのですが、自分自身、今になってやっと、少しその言葉を理解し始めることができた気がします
言葉を言葉の意味として理解するのは、そう難しいことではありません
ですが、理解にも段階があるような気がしていて、実際に体験をすることによって、「そうか、そういうことか」と、理解が更に深まるというのが、言葉を理解した次にやってくるものだと思っています
体験によって理解したものを、言葉などで相手に理解させようとすることはとても難しいことです
「グランドキャニオンってどれ位すごいの?」と聞かれても、言葉で説明しようが写真を見せようが、それ以上に表現はできません
「グランドキャニオンに行けばわかるよ」と言うのが、一番わかりやすい説明だと僕は思います
昨日のレッスンでTさんが、発音練習で苦戦していました
かなり聴き取ることには慣れてきたのですが、「それを発音しようとしたときに詰まってしまう」と言っていました
単語レベルで聴き取れるようになってくると、自分の解釈で発音をしてしまう生徒さんを、僕は沢山見てきました
これの理由はおそらく、聴き取れた単語を生徒さんが「すでに知っていた」ためだと、考えています
例えば、”everything”を聞き取れたのに、「ああ、『エブリシング』だね」と、なってしまいます
逆に知らない単語を聞いたときには、聞こえたとおりに繰り返して練習するしかないので、英語らしい発音ができるのです
英語には、日本語にない音がいくつかあり、日本人はそれらの音を聴き分けるのが難しく感じます
知っている単語(特に、スペルを知っているか、外来語として日本でもカタカナで使われている単語)に英語独特の音が含まれている場合、日本人はそれらの音を日本語にある音で「代用」しがちになってしまいます
これは、ほとんど無意識で行われているのかもしれません
OFFBEATのレッスンで、なるべくリピートの練習を文字を見ずにやっているのは、先入観を入れにくくするためです
もうひとつ大切なことは、心をカラの状態で取り組むことです