「なぜ、こんなちょっとした簡単な表現を英語で言えないのか」と思ってしまうことは、英会話を習っている人にとってはよくあることです
昨日のレッスンで、Tさんは僕に「洗顔をするときに何を使っているのか」を質問したくて、苦労しながら僕に質問してくれました
レッスン後にTさんは、「なんで、こんなに簡単そうなことを文で言えないのだろう」と言っていました
実は、英会話を習い始めた人にとっては、どんなに簡単な文でも瞬時に作れるようになるには、大量の練習が必要なのです
僕はTさんに、最初は焦って長い文で話そうとせずに、1語~3語を出してジェスチャーで足りない部分を補いながら話してみるようにアドバイスをしました
例えば、Tさんがレッスンで僕に質問したかった「洗顔をするときに何を使っているのか」でいうと、”You…wash face…what use? soap?”(足りない部分をジェスチャーで補いながら)、これで十分通じます
流暢性を鍛えるのであればシャドーイングをおススメしますが、明らかな上達を実感するためには、数千時間は最低でもやる覚悟でやってください
Fさんがタイへ旅行へ行ってきました
昨日のレッスンでは、その旅行について話をしてくれました
その話の中に、興味深いエピソードがありました
Fさんはタイのホテルでスタッフとコミュニケーションを取ろうとしたのですが、「OFFBEATで習った単語が通じなかった」みたいなのです
例えば、当教室では「モーニングコール」を”wake-up call”と紹介しているのですが、タイでは”morning call”と言われているらしいです
同様に、”restroom”が通じず、”toilet”と言うそうです
僕がレッスンで教えている英語が間違えているのか、タイで使われている英語が間違えているのか・・・
僕はどちらも正しいと思います
それぞれ、言葉を使っている人々の間で理解されているものなら、それは正しいも間違いもないはずです
なぜかというと、言葉は単なる記号だからです
人々がどの言葉を選択しても、お互いに理解し合うことが最も重要な部分なはずです
だから、テーブルのことを”door”と呼んでいる人たちがいても、「あなたたちは間違っている」とは指摘できないと僕は思います
最近、新しくリスニングのエクササイズを始めました
生徒さんは30秒~60秒くらいの長さの会話を聴き、そのあと、会話からわかったことを英語で説明します
土曜日にM君が始めてこのエクササイズをトライしました
M君はリスニングが苦手だと以前から話していたので、僕はM君がどのようにリスニングしているのかを観察しました
リスニングしてから彼に話を聞いてみると、どうも一つの単語が気になってしまうと、「この単語の意味はなんだったかな~」とリスニングの最中に考え始めてしまうようです
なので、その気になってしまった単語について考えている間は、何もリスニングしていない状態になってしまいます
そういうわけで、会話全体についても、何についての話をしているのかさえわからなくなっていました
僕はM君に、会話に出てくる単語をなるべく多く拾い、瞬時に頭の中でそれらの単語を絵にして、それらの絵を組み合わせて、どのようなストーリーになるのかを想像してみるようにアドバイスしました
そのときに、単語を音として聞き取れたけど頭の中で絵にならないものについては、忘れなければいけません
今週、この方法でもう一度トライです
Tさんはレッスンがない日も、コツコツとボキャブラリーを増やす努力と工夫をしています
OFFBEATで英会話を習い始めて1年は経っていませんが、僕が話しかけると大体のことは理解して、それに対して答えることができるようになってきました
昨日のレッスンの後、このような質問をTさんがしてくれました
「沢山単語を覚えているはずなのに、自分が話そうとすると、パッと出てこないのはなぜでしょう?」
僕もこれについては疑問の一つでした
人間には記憶の方法がいくつかありますが、その記憶の方法によってすぐ出る単語と出ないものがあるのだと、最近知りました
すぐに口から出てくるかどうかは別として、知っている単語が多いに越したことはありません
いつもは脳のどこかに埋もれている膨大な量の単語がベースにあるから、相手が話すことを理解できるし、少し話すことができるはずです
僕は、会話に限ってですが、基礎は語彙力だと考えています
日本語でも同じことです
ガンダムのオタクと対等にガンダムについて会話をしようとしたら、彼らと同等のボキャブラリーがないと、会話についていくことは困難です
そういう意味で、会話では文法よりも語彙力が大切だと思います
問題は、OFFBEATの生徒さんが、どうすれば脳に貯蔵されている単語を、より多く会話の中で使えるようになるかです
僕の工夫がもっと必要です
今朝、朝食にスクランブルエッグが出ました
そのスクランブルエッグの中に、娘が少し苦手としているグリーンピースが入っていました
娘はそれを食べながら、「とーちゃん、はなちゃんグリーンピースごっくんちれるから見ててね」と言いました
「ごっくんちれる」とは、「飲みこむことができる」という意味で言っているというのは、何となく理解できます
普通なら「できる」という言葉を使うところに娘は「ちれる」を使ったのですが、いったいどこで覚えたのでしょうか?
もしくは、自分で作った単語なのでしょうか?
娘が自分で作った単語だとしたら、なぜこんなに簡単に使うことができるのでしょうか?
しかも、僕は「ちれる」は「できる」の替りに使っているということを理解できます
これを考えると、単語に意味はなくても、使うことも理解することもできるということです
逆に、英語を一生懸命に勉強している人が、単語の意味を沢山覚えても使うことが難しいのはなぜでしょうか?
きっと、単語の意味を知ることが重要なのではなく、単語を状況の中に埋め込んで意味を持たせることが重要なのだと、僕は考えています
少し聞こえは変だとしても、積極的に単語を使ってみることがとても大切なことなのでしょう