人間は日常生活の中で、どうやって語彙力を増やしているのでしょうか
「よし、今日は10個覚えてやるぞ!」と意気込まなくても、たいていの人はかなりの量の言葉を知っています
意識をせずに語彙力が増えているということは、無意識に覚えている言葉が沢山あるということなのだと思います
OFFBEATのレッスンで、とにかく大量の単語を口に出す練習をする意味は、「聞いたことがある」、「口から出したことがある」、このような経験なしでは単語は身に付かないのは明らかだからです
「単語を並べれば、少しは相手に通じる」と僕はよく生徒さんに話すのですが、そもそも単語を知らなければ、並べることができません
超初心者から始めた方でも、少しは自信を持って外国人とコミュニケーションをとれるようにするためにどうすればいいのか・・・
まだまだレッスン内容を工夫していって、実りのある英会話を楽しめる人を増やしていきたいです
Nさんの正確な年齢はわからないですが、「私はもう70過ぎ」とおっしゃっていました
英会話を習いたくなったきっかけは、今年の5月に行ったハワイでの出来事だったそうです
ハワイへ行ったのは、お孫さんがそこで結婚式を挙げるということで、出席するためでした
約1週間の滞在中、ビーチで泳いだりショッピングモールで買い物をしたりと、とても旅行そのものは楽しめたようです
ショッピングモールへ家族みんなで買い物に行ったとき、Nさんは試着をする場所を店員さんに聞いたり、商品について店員さんに質問したりを、英語を話せないなりに、自分で何とかやりたかったらしいのです
だけど、それを見ていたお孫さんたちが、「おばあちゃんはもう歳が多いんだから、私たちが話してあげるからね」といって、全て通訳をしてくれたそうです
Nさんとしては、自分の英語がどれだけできるかは別として、現地の人と何とかコミュニケーションをとることを楽しみたかったというのが、その時の本音だったそうです
だから、今度外国へ行ったときには、お孫さんを少し驚かせたい・・・というのが、Nさんの夢です
今朝、娘が「もう、ちちじたんじっぷんかぁ~」と言いました
僕は娘が「もう、7時30分かぁ~」と言ったと理解したので、「そうだよ」と答えました
文字にしてみるとわかりますが、「もう、ちちじたんじっぷんかぁ~」は日本語としては、かなり意味が通じない部分が多いはずです
なぜ僕は娘が言ったことを理解できるのでしょうか?
きっと、話すときの音の抑揚だったり、話の前後から予測することだったり、娘が今まで発してきた言葉を沢山聞いている経験だったりが、それぞれ僕の頭の中で処理されて、「もう、7時30分かぁ~」という解釈になっているのだと思います
ここから考えると、英会話を身に付けたい人にとって、正しい文法を使うことや正しい発音をすることは優先順位として、最上位にある必要はないというのが僕の考え方です
特に、会話で自分が話す側になっているとき、正しい発音や表現かどうかを気にしながら話すよりも、相手に対して「伝えたいことがある」という熱意を体全体で表現できることの方が重要だと僕は思います
僕はレッスンの中で生徒さんが、「どんな表現を使うか」よりも「何を話すか」を気にしています
なぜ話の内容をより大切にするかというと、自分の話し相手(特にネイティブスピーカー)は、自分が使う英語表現には興味をほとんど持たないからです
「どんな表現か」とは、例えば正しい文法を使うこともそうですし、英語独特の言いまわしなどのことです
「今君が使った、”catch up with”という表現は、この状況にピッタリだったね~」などとは思っていません、そう言ってくれるとしたら、英語の先生くらいです
「君はこれについてどう思う?」と聞かれたときに、きれいな発音で “I don’t know.”と言っても、相手はそれに対して何も感じません
ですが、単語を無理やり並べてでも、何とか自分が思っていることを主張できる人は、実りのある会話ができる人だと僕は思います
英語が上達する以上に、自分は話したいことがあるのか、相手に対して興味を持って質問できるか・・・
これが、実りのある会話をするために大切なことです
Fくんがバンクーバーとシアトルの旅行から帰ってきて1週間が経ちました
昨日は彼が帰国して初めてのレッスンで、色々と旅行であった出来事について話を聞きました
本人もそう言っていましたが、話の内容からも、今までで一番充実した旅行になったようです
13日間の旅行の2日目にクレジットカードが入っていた財布を無くしたり、滞在先のユースホステルで知り合ったアメリカ人と仲良くなったり、スケートボードの練習を一生懸命にやっていたら、話しかけてくれる人がいたりと、沢山話を聞きました
彼が旅行で感じたことの中に、こんなことがあったそうです
自分の英語はネイティブに十分通じるということ、そして、誰にでも話しかけていかないといけないわけではなく、自分の話をちゃんと聞いてくれる人を見つけて、その人と仲良くなればいいということ
かなり日に焼けていい顔になって帰ってきたFくん、昨日のレッスンをやってみて、彼の英語力が旅行のおかげで伸びたという感じはありませんでした
ですが、旅行前と比べてより自信を持って英語を話しているという印象を強く受けました
一人旅とは、英語だけでなく人生のレッスンなのだと感じました