特に英会話初心者にとって、英語で会話をしていて、相手が何を言ったのかよく理解できないことは度々あります
度々というか、ほとんど理解できないということの方が多いはずです
そんな時、どうしても相手が言っていることを、一字一句日本語に訳してしまいたくなるのが初心者の心理です
道を歩いていたら外国人がいきなり話しかけてきて、”I’m wondering if you could tell me howo to get to the nearest train station.”などと早口で言われてしまうと、思考回路が停止したみたいな感覚になる経験を僕も何度もしました
“”%$&”$&’$%&&%(&$#$%&&(&$%%”#$! station みたいに聞こえるんです
そんなときは、かろうじて聞こえた”station”という単語をたよりに、相手が何を言おうとしたのかを予想するしかないと思います
その外国人は、ここから一番近い電車の駅への行き方を聞いているのに、自分が駅の名前を答えたとしたら、その外国人はきっと、”No. No.” と言って、もう一度言い直してくれるはずです
もし歩いてすぐの距離で、自分は急ぎでないなら、”Let’s go.” で駅まで連れていけばいいことです
もちろん、状況によって違いますが・・
自分の英語に自信がなければ、「ノー イングリッシュ」と言って去ることだってできます
だけど、もし英語を話す機会が欲しいと思っている人ならば、チャンスだと思って、コミュニケーションを簡単にあきらめずに向き合うことが大切だと僕は思います
そもそも、バイリンガルという言葉の定義そのものが、あいまいです
それぞれの言語をどれくらい使えれば、バイリンガルと呼べるのか、境界線を引くことはほぼ不可能です
極端なことを言えば、挨拶くらいできれば、その言語を「話せる」ということであれば、僕は五ヵ国語くらい話せることになります
英会話を習おうとしている人にとって、始める前のイメージでは、「習えば自分もペラペラになれる」と思うかもしれません
だけど、実際に自分が始める前にイメージしていた英語力を身に付けられる人は、ほんのわずかです
特に、ほぼ話せない状態から始めた社会人にとっては、かなり厳しいです
普通に仕事をしている人で自他ともに認めるバイリンガルになれた人がいれば、その人はものすごい努力家か、英語を身に付ける環境に恵まれた人だと思います
僕が言う「努力」とは、単純に「英語と向き合う時間の量」です
自分も英会話教室を経営しているのに、なぜこのような少し悲観的な表現をするかというと、せっかく英語を習うなら、それにお金を払ったことを後悔しないように努力してほしいからです
実際には、僕が自分の教室で「英語力」より大切にしているものがあって、それは「実りのある会話」です
どうしてもバイリンガルになりたいと思っている人にお勧めする一番簡単な方法は、「私はバイリンガルです」と、堂々と自分のまわりに言うことです
定義があいまいならば、言ったもん勝ちではないでしょうか
レッスンの中でよく起こることですが、生徒さんが、言おうとしていることが言葉で出てこなくて、僕が「こう言いたいのですか?」というと、「そうそう、それ」となることがよくあります
「そうそう、それ」ということは、すでに知っている単語であったり、表現であるということです
例えば“borrow”という単語は、聞いたことがある単語だし、日本語でいうと「借りる」というのも知っている・・・だけど、実践の会話で使えない人が沢山います
だから僕は、英語の単語や表現などを日本語にマッチさせて覚えて終わりだと、いつまでたっても使えるようにならないのだと思います
大切なことは、「どんなときにその単語や表現を使えるのか」がわかっていることだと思います
訓練として、英語の映画やドラマ、インタビューなどを沢山観ること(単語や表現と、それらが使われている状況のインプットを沢山する)
その次は、使い方がわかったら、早速使ってみること
この二つを繰り返せば、かなり効果はあります
すぐに諦めてしまわずに、根気よく続けることは、さらに大切です
今日、Nさんのレッスンで、土曜日に僕のセミナーで話したコンセプトを元にした新しいエクササイズを始めました
Nさんは僕が伝えたかったことをとてもよく理解してくれていました
僕が今日見たかったことは、エクササイズがうまくいくことではなく、土曜日にやったセミナーの意図を感じ取ってくれていたかです
そういう意味で、満足です
実は、今回やったセミナーについて、「英語を使う機会が全くなかった」とか、「英語に関係する内容ではなかった」という意見を数名の参加者の方からいただいていました
僕は意図的に日本語のみでやったことを説明しました
短かめに言うと、レッスンでこれからやっていきたいコンセプトを、まずは日本語で体験してもらい、理解を高めて欲しかったからです
そして、レッスンで各生徒さんが実践練習をやっていくためです
これが僕の作ったシナリオです
英語はコミュニケーションの道具の一つにすぎません
話す内容の方をさらに実りのあるものにするために、OFFBEAT英会話教室の存在意義をもっと強調できたらと思います
明日は高校3年のUさんが、学園内の大学進学のための試験に挑む日です
教科は英語のみです
彼女に対して僕は、「ここは会話の教室だから、受験対策はやらないよ」と伝えたことがあります
なので、彼女はOFFBEATには英会話を楽しむためだけに来ています
だけど、学校の試験が近づくと、「先生、試験、どうしよう」とか、「こういう問題ってどうすればいいですか」という話をレッスン後にするようになりました
今彼女は、「試験に合格する」という目標に真剣に取り組んでいるわけです
そういう状況を見て、僕は「頑張って」とだけいうのも、何だか人として冷めているような気がします
そんな理由で、ここ3回くらい、彼女に対してレッスンの時間を使って、試験に役立つ長文の読み方などの練習をやっています
実は、以前も同じような状況にあったN君に対してもやったことがあって、少しは役立ったみたいなので、今回もUさんに同じやり方をしてます
今日が彼女の最後の試験前のレッスンです
幸運を祈ってます