レッスンで使っている教材の会話の中に“You’ll have to show me.”という文がでてきます
会話の内容は写真についてで、Aさんが沢山の写真を撮ったということを言った後で、Bさんがそれに対し、“You’ll have to show me.”を言います
先日のレッスンで、この文章を聞いたSさんが僕に質問しました
「have to は、~しなければいけないという意味で習った記憶があるけど、この場合はその訳し方でいいんですか?」
確かに、その考え方で“You’ll have to show me.”を日本語に訳してしまうと、「あなたはそれを私に見せなければならない」となります
僕は話の流れからして、「絶対に見せてね」みたいな訳になると伝えました
正しい答えはないので、自分なりに解釈するのが本当はいいと思います
これがもし学校のテストの問題になっていて、生徒が「あなたはそれを私に見せなければならない」と回答したときに、先生はどう採点するのかが興味深いです
英語を教えることが英会話講師の仕事だと僕は最近まで思っていました
今は、少しずつ考え方が変わってきています
では、何が仕事か?
生徒さんの英語習得の目的を知ること、そのためにその人が何をすればいいかを見極めること、そしてそれを伝えること
だと僕は考えるようになりました
ただ単に生徒さんが、先生に与えられたものをレッスンの中でこなして、それで終わりという受け身だけのものでは、中々上達は難しいと思います
生徒さんが、自分がやるべきことを知り、自発的に英語をインプットしていけば、伸びが早くなるような気がします
こう考えれば、更に生徒さん一人ひとりに合うレッスンが作れそうです
バイクの免許を取りに行きだして、もう一つ学んだことがあります
「たとえ小さいことでも、できなかったことができるようになると、嬉しいもんだな~」ということです
考えてみれば当たり前なのですが、今までこれを意識したことがほとんどありませんでした
当教室では、生徒さんは、数字を10億のケタまで言えるようにしています
今日のレッスンで、まだ数字に慣れないS君と、10億のケタまで言う練習をしました
レッスンが始まってすぐにこれを1回行い、レッスンが終わる前にもう一度トライしました
1回目より2回目のほうが、少しだけ慣れた感じがありました
レッスンの後で彼に、「ちょっとだけ慣れたね」と言ったら、少しニヤケました
僕がバイクの教習で、スラロームのタイムが1秒早まったときの気持ちに近かったのだと思いました
YouTubeで自分のバイクのマフラーの音を自慢するだけの動画を見つけました
面白かったのは、コメントの部分です
投稿したのは日本人なので、ほとんどのコメントが日本人からのものでした
日本語のコメントの中に、変な日本語を見つけました
「あなたのバイクを愛しなさい。」「いい仕事。」
多分、これは外国の人が英語を翻訳機でそのまま日本語にしてコメントしたものだと思います
「あなたのバイクを愛しなさい。」は“Love your bike.”で、「いい仕事。」は“Good job.”を日本語に直訳したものでしょう
英語では口語的な表現で、しばしば主語を省くことがあります
だから、“( I ) love your bike.”と本人は言いたいはずです
それが、翻訳機では動詞で始まっているから、勝手に命令形に解釈してしまい、「~しなさい」になってしまっています
翻訳機という道具そのものは便利かもしれないですが、生きた言葉を他の言語に訳すのは、やっぱり人間ですよね~
突然ですが、僕は今、バイクの免許を取りに自動車学校へ通っています
わかりやすい先生、わかりづらい先生、様々です
自分が少しバイクの運転をできるようになってから気が付いたことがあります
「こういう状況のときにはこういう操作をする」ということだけを先に教わり、あとはそれができるようになってから理屈を教わると、理解度が高まるということです
例えば、「低速で走っているときには、右足のブレーキで止まるほうがいい」ということだけを教わり、それをできるようになってから「何故そうなのか」を改めて教わるというようなことです
先に右手のブレーキと右足のブレーキの特性の違いを教えてもらってからやろうとすると、やりながら頭の中で色々と考えているうちにエンストをしたり、転んだりしてしまいます
これを英語にあてはめてみると、文法を先に教わると、会話のときに頭の中で文章を組み立てようとしてしまって、言いたいことが言えずに黙ってしまうような感じです
まずは、何か欲しいときは、「I want~」、何かを教えてほしいときは、「Please tell me~」など、形をある程度覚えて少しでも会話をできるようになってから文法を教わったほうが、理解度は高くなるのではないかと僕は思いました
自分が教わる立場になってみると、自分が何を知りたいか、どうしたいかとうのがよく分かります